シミュレーション&ゲーミング
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Print ISSN : 1345-1499
研究ノート
ゲーミング専門語の中核編纂の試み
市川 新中村 美枝子
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2003 年 13 巻 2 号 p. 198-209

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抄録

専門語は人類共通の財産であるから,大学の専門書入門の水準が必要最低限である.本稿では,ゲーミングのデザイン,構築,実施,評価に関わる専門語(ゲーミング専門語といえるだろう)を提案する.本稿で提案するゲーミング専門語は,111語である.ゲーミング専門語の中核語と位置づけ,それらをプレーヤーが知覚できる中核語,ゲーム運営者・ファシリテーターが知覚すべき中核語,設計構築者が知覚すべき中核語,評価者が知覚すべき中核語に区分して提案する.これらの中核語は,我が国におけるゲーミングの実践ならびに研究開発のために,専門語体系の確立の場を提供するのみならず,分野の異なる,あるいは,専門語の異なる者の相互交流を促進する言語となりうる.この中核語研究によって,ゲーミング専門語辞典の編纂ヘ一歩進むであろう.また,中核語体系の構成要素を精査している間,そこに,ゲーミング理論の主観的な枠組みを意識せざるをえなかった.そこで,表層化してきた仮定のゲーミング理論についても考察を加えた.

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© 2003 特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
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