2006 年 16 巻 2 号 p. 93-102
日本のゲーム産業における開発力を測る客観指標の一つとして「タイトルが当初予定日に発売できたかどうか(発売延期率)」に着目し,雑誌『ファミ通』の発売日情報を元に,据置機のドミナントであるプレイステーション2(PS2)および携帯機のドミナントであるゲームボーイアドバンス(GBA)に関するタイトル発売延期率を調査した.得られた結果は次のとおりである:1)ハードウェア発売後1年目は両ハードともに発売延期率は30%程度である.2)GBAは発売4年目で7%まで順調に発売延期率が低下するのに対して,PS2では26%までしか下がらない.3)当初の発売決定月が年末年始,年度末のタイトルは有意に発売延期率が高い.