シミュレーション&ゲーミング
Online ISSN : 2434-0472
Print ISSN : 1345-1499
16 巻, 2 号
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一般論文
依頼論文(講演録)
査読論文
  • 小山 友介
    2006 年 16 巻 2 号 p. 93-102
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2020/08/28
    ジャーナル フリー

    日本のゲーム産業における開発力を測る客観指標の一つとして「タイトルが当初予定日に発売できたかどうか(発売延期率)」に着目し,雑誌『ファミ通』の発売日情報を元に,据置機のドミナントであるプレイステーション2(PS2)および携帯機のドミナントであるゲームボーイアドバンス(GBA)に関するタイトル発売延期率を調査した.得られた結果は次のとおりである:1)ハードウェア発売後1年目は両ハードともに発売延期率は30%程度である.2)GBAは発売4年目で7%まで順調に発売延期率が低下するのに対して,PS2では26%までしか下がらない.3)当初の発売決定月が年末年始,年度末のタイトルは有意に発売延期率が高い.

特集論文
査読論文
  • 杉浦 淳吉
    2006 年 16 巻 2 号 p. 105-115
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2020/08/28
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は意見対照ゲーム“ICHIBA"を開発することである.“ICHIBA"とは,日本語での「市場」のことであるが,その頭文字によって,「境界知覚による水平的統合のための対人的比較」というゲームの内容をも表している.このゲームの手続きは,次のとおりである.1)与えられたテーマに基づき,自分にとって最も印象的な意見を学げる,2)大勢の人が集まる「市場」のように,オープンスペースを歩き回り,話をするパートナーをみつける.3)お互いがもっている考えを説明し,比較する.4)もし両者の考えが似ていたら,1つのグループとなる.5)さらに,似た意見をもつ個人やグループを探し回る.6)もし似た意見をもつ人やグループを探すことができなければ,一人のままである.7)もし他の人の意見が自分のそれよりも気に入るものであれば,自分の意見を変えてその人と同じグループになってもよい.“ICHIBA”はシンプルなゲームであり,本研究では振り返りの技法として検討を行った.

  • 玉木 光, 兼田 敏之
    2006 年 16 巻 2 号 p. 117-125
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2020/08/28
    ジャーナル フリー

    近年,住民参加の分野で公正な手続きの制度設計が求められている.このためには,手続きの公正感の形成要因を明らかにすることが必要である.本研究では事例調査の結果から,手続きの公正感の形成要因として,意見陳述機会,意見反映度,協議結果への満足度という要素に着目した.これらの関係性を明らかにするために,ゲーミングシミュレーションによって架空の自治体におけるステークホルダー間の交渉を再現し,アンケートによって上記の3要素を評価させた.ゲーミングの設計に際しては,学生にとっても容易にプレイできること,実施時間が通常の大学の授業2コマ分に相当する3時間に収まることを念頭に置いた結果的に,学生を対象とした実験によって,手続きの公正感が手続きの内容と協議結果に対する満足度の影響を受けることが明らかになったまた,手続きの内容のうち意見反映度は協議結果に対する満足度に影響するものの,意見陳述機会は影響しないといった,要素間の関係を明らかにすることができた.

  • 菱山 玲子, 早川 恵
    2006 年 16 巻 2 号 p. 127-138
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2020/08/28
    ジャーナル フリー

    ビジネスゲームのために設計されるビジネスモデルの抽象化と,現実社会の様相を豊かに伝える表現力の確保というトレードオフを解決する上で,モデルの設計粒度(抽象度)を考慮したゲームデザインが欠かせない.本研究では,粒度の異なる複数の観光寺院経営ゲームをデザインした上で,これらのゲームを同時に統制実験形式により実施した.粒度を抑えたゲームはゲームヘの敷居を低くし分かりやすさの点で優位といえるが,必ずしも分かりやすさの追求のみにこだわることなく,モデルに対する理解がゲームの成績に一定の影響を与える程度の複雑さを有するゲームを,参加者の能力にあわせてデザインし適用することが効果的と考えられる.モデル設計の粒度の違いを考慮しなからモデル理解とゲームの成績との関連性を分析することで,ゲームの設計粒度のコントロールに役立つ情報を得られることから,ゲーム設計段階における粒度のチューニングのための予備試行の過程におけるゲームのデザインテストの必要性を提言する.

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