シミュレーション&ゲーミング
Online ISSN : 2434-0472
Print ISSN : 1345-1499
査読論文
環境政策ゲーム「キープクール」の教育への導入とその評価:ゲーム実施者とプレーヤ双方の観点から
杉浦 淳吉吉川 肇子
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2009 年 19 巻 1 号 p. 87-99

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抄録

本研究では,事例研究として地球温暖化問題をテーマとしたボードゲームである「キープクール」を取り上げ,その導入の評価を検討する.ゲーミング体験の評価について,教育・学習場面の対象者のみならず,そのゲーミングの実施主体の評価も含めて検討した.すなわち,ゲーミングを,導入時の評価,導入の決定と準備,そして実践・評価,の3つのプロセスに整理した.また,ゲーム経験者が別の場面でゲームを実施するプロセスについて検討した.ゲーム経験のある実施主体が,プレーヤに対して何を評価させようとしたのかについて,評価項目および実践方法から検討された.さらに,ゲームの実施中および実施後におけるゲーム体験の評価に関する手法の事例について議論した.以上から,ゲームの意義や評価のポイントは,実施主体が持つゲーム体験の評価の基準によってもまた,決まってくることが示唆された.

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© 2009 特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
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