2017 年 26 巻 2 号 p. 42-51
新型インフルエンザ等発生時には,都道府県においてそれぞれの流行状況を踏まえて対策を判断する必要がある.本研究では,地域における医療従事者と行政が連携を強化するための研修・訓練のためのシミュレーション&ゲーミングを開発し,研修会形式で実施した.医療従事者(医師または感染管理看護師)と地方自治体の担当者が5~6名の班に分かれ,それぞれファシリテーターを決め,ビデオ等によって付与されたシナリオの中で付与された課題を検討,発表,ブリーフィングを行った.アンケートでは,回答者すべてが本研修は「新型インフルエンザ等対策の強化」「行政と医師・看護師の連携強化」に資すると評価した.シミュレーション&ゲーミングは,新型インフルエンザ等対策のような健康危機管理の合意形成型の意思決定を,短時間に多数の局面について疑似体験可能であり,マルチステークホルダーの連携強化に有用である.