2018 年 28 巻 1 号 p. 33-42
現代のデジタルゲームはインターネットに接続した状態でプレイするものが多く,他のプレイヤーと交流したり,新しい人間関係を作るきっかけを提供する場にもなっている.そこで生じうるリスクを抑制する要因として,保護者からの介入が挙げられる.本研究では,介入行動に先立つ保護者の態度に焦点を当て,その特徴を検討した.3歳から高校3年生までの子どもをもつ保護者1,000名を対象に調査を行った.ゲームをきっかけとした他者との交流に対する保護者の態度は,オンラインで新たな関係が構築される可能性があるゲームと,そうした可能性はないゲームに対するものとに分けられた.両者に対する態度から,保護者を4つのグループに分類し,子どもの性別や学校段階,保護者の性別やゲーム経験,ゲームの影響に対する考え方との関連を検討した.