学生相談研究
Online ISSN : 2758-0067
Print ISSN : 0914-6512
展望
学生相談に関する近年の研究の動向
―2021年度の文献レビュー―
慶野 遥香
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キーワード: 学生相談, 文献レビュー
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2022 年 43 巻 2 号 p. 194-204

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抄録

 本稿の目的は、2021年度に我が国で発表された学生相談に関する文献レビューを行い、近年の研究動向を展望することであった。選定された41編の文献を、『学生相談ハンドブック新訂版』の目次に従い、(1)総論、(2)相談・援助活動、(3)連携・協働活動、(4)大学コミュニティのなかでの活動、(5)学生相談を支えるもの、の5つのカテゴリに分類して整理した。
 その結果、以下のことが近年の特徴として挙げられた。(1)学生相談機関における遠隔相談の実施状況や、コロナ禍の大学生の心理や精神的健康に関する研究が報告され始めていた。(2)留学生の相談体制に関する調査や、様々な症状を持つ学生の相談事例など、多様な特性や困難を持つ学生への支援に関する研究が行われていた。(3)グループ活動やピア・サポートなど、個別相談にとどまらない多彩な学生支援活動の文献レビューや実践報告が増えていた。これらを踏まえて、今後の研究課題について考察した。

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© 2022 一般社団法人 日本学生相談学会
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