学生相談研究
Online ISSN : 2758-0067
Print ISSN : 0914-6512
展望
学生相談に関する近年の研究の動向
―2022~2023年の文献レビュー―
黄 正国
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2024 年 45 巻 2 号 p. 128-139

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抄録

 本論文では、2022~2023年に日本で発表された学生相談に関する研究をレビューし、慶野(2022)の分類方法を参考に、『学生相談ハンドブック』(2020年新訂版)の目次に沿って研究全体を概観した。その結果、以下の3つの特徴が明らかになった。①トラウマ、留学生、休学・退学、主体性、自殺、過剰適応、コロナ禍の影響など、大学生の理解と支援に関する研究が多様な視点から進められていること、②コロナ禍で急速に整備された遠隔相談の実態と効果が検討され、オンラインツールを用いた新たな支援方法の可能性が模索されていること、③海外の学生相談に関するレビューが増加し、特にアメリカやアジア諸国での実践が日本の学生相談に新たな視点を提供していることが確認された。また、今後の展望として、大学の多様化に伴い、学生相談における支援には柔軟で多面的なアプローチが求められるため、学生相談領域の研究の方法論とあり方を模索する研究が必要である。さらに、大学という社会環境や教育組織の改善に向けた構造的問題の研究も期待される。

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© 一般社団法人 日本学生相談学会
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