2025 年 46 巻 1 号 p. 12-22
本研究の目的は、社会人との比較から大学生の援助要請行動の特徴を明らかにすることである。先行研究から関連要因を検討し、援助要請行動までのプロセスモデルを参考に、心理的不調の実感と専門家への援助要請態度(専門的援助の求め・自己解決志向)、さらに自分の心理的不調の否定的な捉え方を説明変数とし、援助要請行動(現在の専門機関利用の有無)を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。結果、大学生と社会人は、心理的不調の実感と専門的援助の求めが援助要請行動を促進している点で共通していた。一方、大学生は、心理的不調と自己解決志向の主効果、心理的不調、自分の悩みへの否定的な捉え方の交互作用項が有意であった。彼らの自己解決志向と専門的援助の求めには、社会人と異なり負の相関があったことから、心理的不調がある場合、自己解決や悩みへの否定的な捉え方ゆえに、援助要請行動自体に葛藤を持ちやすい可能性が示された。社会人は、心理的不調の実感と専門的援助の求め、自己解決志向が交互作用項として有意であり、大学生のような葛藤は持ちにくいことが示唆された。本研究の結果から大学生に有効なアプローチを考察した。