老いていく自己と他者

フィンランド福祉制度における高齢者の身体変容

抄録

本発表は、エイジングという身体の変容過程について、フィンランドの高齢者福祉制度との関連から検討していく。福祉制度が内包する構造的な「不備」に由縁する身体的な危険は、同時に介護者とのコミュニケーションの契機としても機能する。他者との間で調整される身体の在り様を紹介することで、身体と主体を二分し、規範へ抵抗する主体を見出してきた従来の視点に対する異議を唱えていく。