日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
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2024年6月15日(土)
分科会SA(Ⅰ)空間統治と「国家の介入しにくい空間」
分科会SB(Ⅰ)埒外の政治-経済の人類学
分科会SC(Ⅰ)他領域における人類学教育への関与が人類学にもたらすもの
分科会SD(Ⅰ)トラウマ空間とアーカイヴ実践
分科会SE(Ⅰ)ポスト「ローカル・コミュニティ」時代の地域開発事業とアフリカ少数民族社会
分科会SF(Ⅰ)ディタッチメントとアタッチメント
2024年6月16日(日)
分科会SA(II)芸術の人類学を再考する
  • 感性と制度の多様なせめぎあいに注目して
    緒方 しらべ
    p. SA00_02-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/02
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    芸術を対象とする人類学にておいて、1980年代に隆盛した制度決定論と、1990年代末以降のエージェンシー論に基づくモノの働きや人・モノ・コトの連鎖に焦点を当てる議論は乖離している。本分科会では日本のアートプロジェクト、フィジーの工芸、キューバの音楽、ナイジェリアの美術など、芸術実践における感性と制度の隔たりや結び付きに注目することによって、両論の接合を試み、芸術を人類学的に捉える意義を再考する。
  • 学びの諸制度と生きた探究のあいだ
    兼松 芽永
    p. SA06-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/02
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    明治から続く美術の専門教育と学校教育およびその実践の断絶状況は、2000年代以降、 美術館の教育普及やアートプロジェクト、臨床的芸術実践の拡充などを受けて大きく転換し、積極的に連携がはかられるようになった。本発表では、中越地域で美術制作、職人仕事、蒐集展示、教育研究など複数の実践のあいだを往還しながら探究を続ける人々に焦点を当て、学びや価値をめぐる諸制度と芸術実践のせめぎあいについて考察していく。
  • ハバナの「音楽映像」制作における経験と制度
    田中 理恵子
    p. SA07-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/02
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    本報告ではメディアミックスなどにみられる複数スタイルを組み合わせる実践として、キューバの「音楽映像」に注目する。今日盛んな「音楽映像」そして「商品化」の実践では、聴覚的な音などを「みえるものへ」視覚化する過程で、聴覚/視覚、制度/個人といったせめぎ合いが浮上する。ここではその一端を明らかにし、これまで狭義の制度の下で後景化していた多義的な制度と芸術の関係、人びとの経験や感覚の諸相に光を当てたい。
  • ナイジェリアの美術市場と暮らしの市場が繋がるとき
    緒方 しらべ
    p. SA08-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/02
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    西洋近代に端を発する芸術の市場という制度と、ローカルな芸術実践との不均衡な力関係を問う制度決定論は、前者の主権的地位を前提として1980年代から袋小路に入ったままと言える。しかし両者の接続においては、パワーバランスだけではなく、互いに喚起し合ったり補強し合ったりして生じる制度の変容も指摘できる。本発表では、ナイジェリアの都市における美術の実践を事例に、制度を必要不可欠な要素として考察する。
  • フィジーDV被害者による製作コミュニティの可能性
    渡辺 文
    p. SA09-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/02
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    本発表では、DV発生率の高いフィジーにて、被害女性が自然発生的に集まり工芸製作を行ってきたコミュニティLに着目する。LはDVを揺籃する既存の制度からの一時避難場として機能する一方で、Lでの感性的な経験は新たな製作を触発し、そこで生まれた工芸品は儀礼財や商品として既存の制度へ還り、制度内部で新たな価値を生む。これらのことを制度と感性のせめぎあいという視点から考察し、戦う工芸術の可能性として論じたい。
個別発表(A会場)
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