日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
ISSN-L : 2189-7964
日本文化人類学会第43回研究大会
セッションID: F-4
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インドネシア・ブトン島ワブラ社会における巡礼、農事暦儀礼と「真実の歴史」
生きられる歴史語りの人類学に向けて
山口 裕子
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抄録
 インドネシア・ブトン島のワブラ社会は、一年をサイクルとする農事暦儀礼をとおして、村の秩序、慣習、宗教を再生させ再確認する。その中の巡礼儀礼では、村の起源地を訪れる道中、年長者が起源来の祖先の歩みについて語る。それは、自らをブトン王国の中心に位置づける点で公定のブトン王国史と対立するが、ワブラ人は自らの語りこそが「真実の歴史」だと主張する。本発表では、ワブラ人にとって語りの「真実さ」を支える、語りと農事暦儀礼を一部とするワブラ村の生の時空間を明らかにする。
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