抄録
本研究では、日本におけるMSM(Men who have Sex with Men、男性と性行為を行う男性)に対する性行動をめぐる疫学研究の実践に注目し、疫学研究者が何を、あるいは誰をHIV感染やAIDS流行の「リスク」として対象化し、その「リスク」がどのように数値化され、その数字がいかなる権力のネットワークを構築していくのかを見ていく。主に分析の対象とするものは、厚生(労働)省エイズ対策研究事業の「疫学研究班」の報告書等であり、また実際にこれらの疫学調査に関わってきた当時の疫学研究者へのインタビューなどである。