中国南部の少数民族社会における水上居民のエスニシティ

「周縁」対「周縁」のモデルから

抄録

本発表では、少数民族がマジョリティである広西チワン族自治区における水上居民のエスニシティについて論じる。これまで主たる研究フィールドであった漢人をマジョリティとする広東珠江デルタ地域とは異なり、少数民族が多数を占める地域においては、水上居民と陸上居民のエスニックな境界はどのように立ち現れるのだろうか。漢人中心社会における「中華」対「周縁」の図式を離れ、「周縁」対「周縁」というモデルにおいて「中華」の所在、在り様について探ってゆく。