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日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
ISSN-L : 2189-7964
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日本文化人類学会研究大会発表要旨集
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分科会
23日(土) 9:30-12:25 C会場
分科会Ca 「社会主義をへた宗教の再構築:地域社会の分断/再編と越境からのアプローチ」
代表者 藤本透子
社会主義をへた宗教の再構築
地域社会の分断/再編と越境からのアプローチ
藤本 透子
セッションID: PCa0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.1.0
会議録・要旨集
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本分科会は、社会主義を経験したアジアを対象として、宗教が再構築されるメカニズムを、地域社会の分断/再編と国境を越えた移動に着目して明らかにすることを目的としている。その意義は、社会主義をへた宗教の位相を問うことが、広く近代と宗教の関係性、さらに現代社会における宗教のあり方を考える上で示唆に富む点にある。具体的には、イスラーム、シャーマニズム、ボン教、仏教といった複数の宗教の事例を取り上げて論じる。
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(150K)
越境空間におけるイスラームの再構築
カザフ村落社会の再編過程から
藤本 透子
セッションID: PCa1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.2.0
会議録・要旨集
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本発表では、社会主義をへたカザフスタンにおけるイスラームの展開をとりあげる。死者のためのクルアーン朗唱が社会再編過程においてもつ意味を読み解くとともに、新たな現象として旧ソ連の国境を越えた移動の影響が2000年代以降に特に顕著になったことに着目し、イスラームの再構築メカニズムを越境性と地域性の観点から考察する。
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(132K)
感染するシャーマン
現代モンゴルにおけるシャーマニズムの急激な活性化をめぐる考察
島村 一平
セッションID: PCa2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.3.0
会議録・要旨集
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近年、モンゴル国において「まるで感染病のようだ」と現地で語られるほど、シャーマンの数が劇的に増加するという現象が見られる。その数は人口300万人弱のモンゴルにおいて1万5千~2万人に達すると言われている。シャーマンは首都ウランバートルを中心にエスニシティや年齢、ジェンダー、貧富に関わらず、日に日に増え続けている。本発表はこの「感染するシャーマン」現象から、現代モンゴル社会を読みとく試みである。
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(177K)
宗教の再構築における指導者と地域社会再編の関係
中国四川省のチベット社会におけるボン教を事例に
小西 賢吾
セッションID: PCa3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.4.0
会議録・要旨集
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本発表は、中国のチベット社会におけるボン教の再構築を事例に、そこで指導的役割を果たす高僧がどのような資質を背景に人びとに受け入れられるのかを考察し、宗教指導者の役割と地域社会の再編の連関を明らかにする。1950年代以降の混乱期における僧院の継承の「正統」の断絶を受け、改革開放後の社会経済的変容の中でいかに「後継者」の地位が確立されたのかを、国外のボン教徒との連携や漢族社会との接触を踏まえて明らかにする。
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(114K)
中国雲南省徳宏州における仏教実践の断絶と再構築
小島 敬裕
セッションID: PCa4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.5.0
会議録・要旨集
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本発表では、中国雲南省徳宏タイ族ジンポー族自治州における上座仏教の、大躍進・文化大革命期における実践の断絶と、その後の再構築の過程に注目し、地域における宗教実践の変容と継続の局面を明らかにする。具体的には、フィールドワークによって得られたデータから、徳宏の仏教徒たちが文革後の実践の再構築の過程において、ミャンマー側の実践の影響を受けつつも、地域に根ざした独自の実践を主体的に選択していることを示す。
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(147K)
中国雲南系ムスリムの越境と宗教ネットワークの再構築
王 柳蘭
セッションID: PCa5
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.6.0
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本発表では、タイ北部の雲南系ムスリムを対象に、越境の歴史を踏まえつつ、民族間・宗教間の多元的なネットワークや国境を越えた故地とのつながりに着目し、イスラームの活性化がチャイニーズネス(Chineseness)/ムスリム性(Muslimness)という二重の帰属意識と地域に根ざした固有の歴史的民族文化的諸要因によって、草の根レベルでかつ自律的に運動が生成されている点について述べる。
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(164K)
分科会
23日(土) 13:30-16:25 C会場
分科会Cb 「人間と動物の境界についての人類学研究へ向けて:霊長類学と文化人類学の視点から」
代表者 田所聖志
人間と動物の境界についての人類学研究へ向けて
霊長類学と文化人類学の視点から
田所 聖志
セッションID: PCb0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.7.0
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本分科会では、人間と動物の関係について、境界(boundary)をキーワードに据えた検討を試みる。本分科会は、文化人類学者3名、霊長類学者2名から構成される。事例として、人間と動物の境界、人間以外の霊長類と人間の境界、モノを介した人間同士の境界が扱われる。各発表内容を総合することで、人間と動物との関係という限定されたテーマを扱いつつも、文化人類学と霊長類学の位置取りを再確認し、人間・動物・モノについての、総合科学としての人類学によるアプローチの理論的な視座を示したい。
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(137K)
人間そっくり?
チンパンジーの死をめぐるエピソードから
西江 仁徳
セッションID: PCb1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.8.0
会議録・要旨集
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本発表は、野生チンパンジーの死亡事例とそれをめぐる人間の言説を分析することを通して、人間(専門家、マスメディア、一般人=素人)と動物(チンパンジー:研究対象、非人間、自然)との間にさまざまなかたちをとって現れる境界面を、その重層的・動態的側面に着目しつつ記述することを目的とする。
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(142K)
パプアニューギニア、テワーダの狩猟と漁撈からみた人間と動物との境界
田所 聖志
セッションID: PCb2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.9.0
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本発表は、自給自足型経済を比較的維持している農耕社会における狩猟と漁撈に関わる実践と語りに着目することで、彼らの人間と動物の関係をめぐる認識と行為図式を明らかにすることを目的としている。具体的には、パプアニューギニアのテワーダの人びとによる狩猟と漁撈の実践と動物についての語りを見たうえで、人間と動物の関係についての民俗論理を支える諸要因を考察する。
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(149K)
嵐山のニホンザル社会の理解を試みる私のエスノグラフィー
観察現場で揺らぐ「人間/サル」「専門家/素人」の境界と人間が表象するサル社会の境界
花村 俊吉
セッションID: PCb3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.10.0
会議録・要旨集
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私はかつて、「嵐山モンキーパークいわたやま」のニホンザルの群れを対象に調査をおこなった。そこでは、ときおり公園職員や観光客と会話しつつ一日中サルを追跡し、その社会を理解すべくサルたちのやりとりを記録し続けた。本発表の目的は、サルを観察する現場で私が経験したできごとを踏まえてこの調査を紹介し、人間とサル、専門家と素人の境界の揺らぎや人間がサルの社会を理解するという営みについて考察することである。
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(155K)
夢と予兆が示す境界性
マリ共和国南部カディオロ県セヌフォにおける夢と予兆
溝口 大助
セッションID: PCb4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.11.0
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本発表は、動植物に関する夢と予兆の事例を提示し考察を加えることを目指す。より具体的に言えば、本発表の目的は、西アフリカの一農村における村人の夢と予兆の内容と解釈を資料提示することにより、_丸1_動植物とひととの境界、_丸2_(その未決定的な関係が引き金となって生成する)霊的なものとひととの境界、_丸3_最後にこれらの関係によるひととひととの境界、の三つの位相を考察する点にある。
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(144K)
モノに表象された自己と他者の境界性
須田 征志
セッションID: PCb5
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.12.0
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本発表では、タンザニア・サンバア社会の伝統医療従事者が所持する呪物の事例から、人間とモノとの関係性を考察する。呪物には、周辺民族などが表象されているが、それは一方向的に想像された「民族」を再生産させ、あたかもそれを実体として喚起させる装置として世代を超えて継承されたものである。呪物は単に神秘的な「力」が付与された物質ではなく、そこには、利用する人々の自己と他者の境界性が表象されて現れている。
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(152K)
分科会
23日(土) 9:30-12:25 D会場
分科会Da 「医学・医療系教育における文化人類学」
代表者 道信良子
医学・医療系教育における文化人類学
道信 良子
セッションID: PDa0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.13.0
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日本の医療において、治療モデルから生活モデルへと、医療のあり方が転換しようとしている中での、医学・医療系教育の内容及び方法論の変化や、文化人類学のかかわり方について、次の手順と方法で考察する。第一に、医学・医療系の各学部における教育改革の内容を精査する。第二に、各学部教育における文化人類学の授業実践を省察する。第三に、医学・医療系教育の専門家からの文化人類学の教育への期待や提言をまとめる。
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(143K)
医療福祉系大学における文化人類学教育の課題と可能性
飯田 淳子
セッションID: PDa1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.14.0
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基礎教育及び質的研究法の教育実践を報告しつつ、医療福祉系大学における文化人類学教育の課題と可能性を検討する。人間の生活を包括的にとらえようとする医療福祉の実践・教育の場において、文化人類学が果たしうる役割は少なからずあるものの、その役割は広く一般に認知されているとは言えない。日本の医療福祉現場をフィールドとした人類学的研究の促進や、人類学者と医療者との建設的な対話の重要性を指摘する。
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(151K)
医学教育が人類学に期待すること
錦織 宏
セッションID: PDa2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.15.0
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臨床医・医学教育専門家として、大学のカリキュラム策定などに関わる演者が、医学教育から人類学に期待することを提言する。医学教育における人類学の教育方法のモデルとして「社会医学の一分野としての人類学」「臨床医学との統合カリキュラム」「症例基盤型教育」「討論型の教育」を提案する。
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(129K)
地域基盤型の医学・医療系教育における省察と実践
道信 良子
セッションID: PDa3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.16.0
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本発表では、地域基盤型の医学・医療系教育に「省察」を応用した学習の実際を明らかにし、その学習を通じて、学生はどのように地域社会の「日常の論理」を探求するのかについて論じる。学生の体験と振り返りから、1)医療者の省察ではなく、医療者及び患者・生活者の実践を通じて、バイオメディスンの論理と日常の論理とが互いに組み合わされること、2)省察はそれを発見するための探求法であることが示唆された。
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(134K)
日本の作業療法教育の動向と文化人類学への期待
小田原 悦子
セッションID: PDa4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.17.0
会議録・要旨集
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人を社会的存在としてholisticな視野でとらえ、広い意味の健康促進を目標に始まった作業療法が、2回の転機に遭遇した後、日本においてその教育の真価を問われている。文化人類学者は、作業療法士が人々に寄り添って援助ができるように、作業療法教育に文化・社会的視点を深く位置づけるような援助を期待する。作業療法教育に求められる授業の方向性を示すために、作業療法学の学部1,2年生のクラスで行っている試みを紹介する。
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(194K)
医療・福祉の原点を求めて
馬場 雄司
セッションID: PDa5
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.18.0
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看護大学と文化人類学専攻の学科における教育経験を比較し、竹楽器の製作を通じて、人・自然・健康のかかわりを体験する学習の有効性について論じる。看護職のような特定の専門をめざさない学生に対して教えられる文化人類学には、より普遍性が求められる。竹楽器作りの実習では、医療・福祉の原点を考えることを目指しているが、このような生活の中から健康を考える場の開拓は、医療職の専門教育と同時に重要な営みと考えられる。
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(147K)
分科会
23日(土) 13:30-16:25 D会場
分科会Db 「展示による社会的関与は人類学に何をもたらすか:日本・ロシア・北米の先住民調査研究の視座から」
代表者 高倉浩樹
展示による社会的関与は人類学に何をもたらすか
日本・ロシア・北米の先住民調査研究の視座から
高倉 浩樹
セッションID: PDb0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.19.0
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人類学にかかわる展示を実践することによって何が可能となり、それは研究にどのようなフィードバックをもたらすのかについて考察する。それぞれ特色をもった展示を実践する研究者の実例の報告を踏まえながら、論文や著作とは異なる成果公開の形態はそもそも何故・何を目的に企図されたのか、その社会的関与に対する実際的効用、さらに人類学の方法や理論へのフィードバックについて報告する。その上で展示によって達成可能な学問的可能性をより明確な論点として提示する。
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(101K)
アイヌ文化展示と文化人類学的課題
山崎 幸治
セッションID: PDb1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.20.0
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本発表では、アイヌ文化に関する二つの展示実践を事例として、アイヌ研究にとどまらない文化人類学研究へのフィードバックが見込まれるトピックについて検討を加える。とりあげるトッピックは、【物質文化資料と情報】、【語りの「調整」】、【現代の展示】、【ノイズとしての「展示する側」】である。そこでは海外をフィールドとする文化人類学研究では見えにくい問題や、研究者に求められている「実践」についても論じる。
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(145K)
協働展示実践が顕在化させる主客不可分状況について
『ホピ・ズニ作家展』の経験から
伊藤 敦規
セッションID: PDb2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.21.0
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本発表では、2007年以来企画・代表者として5度開催してきた『ホピ・ズニ作家展』について、その趣旨や企画の背景の概要報告をするとともに、文化人類学者としての調査地との関わり方について考察する。この協働展示実践によって顕在化した主客不可分な状況は、サンタフェ・ショック以来人類学に突きつけられてきた「調査する側」と「調査される側」との政治的非対称性をめぐる課題に対する一つの答えになるだろう。
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(161K)
先住民と海外における博物館展示
北米大陸のヤキに関する展示を事例として
水谷 裕佳
セッションID: PDb3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.22.0
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本発表では、米国およびメキシコに居住する先住民ヤキについての企画展示「北米先住民ヤキの世界」(2010年10月~2011年2月於北海道大学博物館、2012年2月於早稲田大学ワセダギャラリー)を具体的な事例として、先住民の人々に関しての博物館展示が彼らの居住する地域から見て海外で実施される場合に、文化人類学分野の研究者が果たし得る役割、および現地の人々との間に構築し得る関係性について考察する。
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(127K)
語りだす死体
カナダ先住民の動物利用に関する展示を通した成果の還元と研究上の意義
山口 未花子
セッションID: PDb4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.23.0
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モノや技術には、情報としてだけではなく経験として人々に共有されるという強みがある。他方で、それを人類学者が収集したことによって、そのモノには様々なエピソードが付与されることとなる。この二点は、人類学の成果としてのモノの展示の可能性を示している。本発表では発表者がこれまでに取り組んだ展示実践の事例から、人類学者が展示に関わることの研究上の意義と成果還元の可能性について検討する。
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協働でつくる編集過程
民族誌写真と標本資料における断片性と本質性の新たな文脈化
高倉 浩樹
セッションID: PDb5
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.24.0
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シベリア民族誌写真と標本資料の展示を日本と現地で行った経験に基づき、展示が人類学の方法や理論に何をフィードバックさせたか考える。展示に際しては学外の専門家が加わり、研究資料の分析=編集が行われる。これを「協働編集過程」と概念化し、実際の展示実践にもとづいてその実態を再構成する。その結果、断片性と本質性を戦略的に用いる展示が人類学と社会の間の新しい界面を作り出すことがわかった。
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(104K)
分科会
24日(日) 9:00-11:25 D会場
分科会Dc 「界面に立つ専門家:サファリングとケアの人類学」
代表者 浮ヶ谷幸代
界面に立つ専門家
サファリングとケアの人類学
浮ヶ谷 幸代
セッションID: PDc0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.25.0
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本分科会は国立民族学博物館共同研究「サファリングとケアの人類学的研究」の一環として企画したものである。目的は、さまざまな界面(異質な領域が出会う状況や場)に立つ制度的専門家の苦悩することの意味を探り、さらにその苦悩する場を構成するローカルな規範や限られた物理的・人的資源という環境条件のもと、苦悩する専門家たちの対処の術を探ることである。
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専門家のゆらぎ
医療の変容にともなう立ち位置の変化について
沖田 一彦
セッションID: PDc1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.26.0
会議録・要旨集
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最近の医療は「病気予防」、「健康増進」、「地域医療」にと、その守備範囲を拡張し続けてきた。しかしそれは、医療現場でそれを担う専門家に新たな苦悩(suffering)を生み出した。言い換えれば、そのような医療の変容にともない、専門家がその“立ち位置”を、生活者である患者・利用者との狭間で変化させる必要が出てきたということである。報告では、リハビリテーション医療における事例を紹介することで、この問題について討議する。
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(184K)
地域包括ケアの多職種連携における分担/分断
松繁 卓哉
セッションID: PDc2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.27.0
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機能性と効率性を追求することで発展してきた病院医療が、今後、地域包括ケアと称されるものに変容していくと考えられている。しかしながら、専門分化が進展するにつれて、医療・福祉の専門家一人ひとりの担当領域はますます狭められてきており、ケアの対象者の生の全体像を見渡すことが困難となっている。本報告は、ローカルな現場で苦悩する専門家の営みを注視し、多職種連携における分担/分断の問題について考察する。
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(110K)
ケア実践における職業的エクスパティーズの諸相
現代日本における葬儀業の活動展開を事例として
田中 大介
セッションID: PDc3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.28.0
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本発表は現代日本における葬儀業を題材とした職業人類学的な事例研究である。近年、事業規模を問わず葬儀業に属する各組織はケアの概念を積極的にサービスへと導入しているが、この発表ではその動向についての調査事例をエクスパティーズ、すなわち業務遂行のために発揮される専門性という切り口から考察することによって、今日において「職業としてのケア」がいかに成立しているのかという問題を探究したい。
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臨床実践の二つの界面
日本の医学教育改革の現場にあって
星野 晋
セッションID: PDc4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.29.0
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今日日本の医学教育は、「医学とその応用」から「臨床実践から組み立てる教育」へと教育モデルを大きく転換しつつある。その中で文系教員には、臨床に役立つ人間行動の理解とコミュニケーション・スキルの教育が求められていれる。しかし高齢化により在宅医療への重心の移動が進む日本にあって、報告者は、社会科学の視点や方法など、臨床や暮らしの現場から学ぶ学び方の学習機会こそが、文系教員が提供すべき教育であると考える。
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分科会
23日(土) 9:30-12:25 G会場
分科会Ga 「熱帯林と社会:サラワク民族誌研究の可能性」
代表者 長谷川悟郎
熱帯林と社会
?サラワク民族誌研究の可能性
長谷川 悟郎
セッションID: PGa0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.30.0
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本分科会は、ボルネオ島サラワクの諸社会を対象にフィールド調査をおこなってきた5名によって、熱帯林と社会の関係を視野に入れた報告と議論をおこなう。熱帯林は、サラワク諸社会の人びとにとって、社会に対立する自然資源、自然環境というだけでなく、人間、動植物や事物などの諸存在が構成する社会そのものでもありうる。そうした見方を切り拓くことから、本分科会はサラワク民族誌研究の可能性について討議する。
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(157K)
シハンにみる人と自然の関係のダイナミズム
マイノリティの視点からの一考察
加藤 裕美
セッションID: PGa1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.31.0
会議録・要旨集
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本発表では、マイノリティと森の関係に焦点を当て、人々の多様な対応のありかたを開発や市場経済といったキーワードから検討していく。具体的には、まず1点目に、森林産物交易における市場経済との結びつきの強さを指摘する。2点目には、交易における華人とのより強い経済的な紐帯について考察する。3点目に、森の動植物に対する人々のとらえ方が、森林開発や市場経済の影響をどのように受けているのかを検討する。
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(148K)
資源利用からみる森と人の関係誌
ブラワンによるツバメの巣の利用を事例に
佐久間 香子
セッションID: PGa2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.32.0
会議録・要旨集
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本研究は、特定の資源の利用に注目してサラワクの先住民社会における森と人との関係を通史的に考察するものである。本発表では、ブラワン社会におけるツバメの巣の利用に注目する。具体的には、1)当該社会を取り巻く自然環境と社会状況の変化にともなうツバメの巣の役割の変遷を述べる。次に2)華人との関係の資源交易という経済関係をこえた重要性を指摘する。そして、3)特定の資源に注目して民族誌を描く可能性を検討する。
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(155K)
森林産物と民族関係
先住民との関係を通したサラワク華人にとっての熱帯雨林
市川 哲
セッションID: PGa3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.33.0
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本発表はマレーシア、サラワク州内陸部の河川上流域における華人と先住民との間でなされる森林産物の取引や婚姻や養子のやり取りといった相互関係について報告する。それにより、サラワクにおける華人が先住民との関係を通して熱帯林という自然環境といかなる関係を取り結んできたのか、そして熱帯林との関係が河川上流域の小規模な華人コミュニティにいかなる影響を与え、地域的な特徴を形作ってきたのかについて議論する。
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森林開拓をめぐる護符信仰の重要性
イバン・エクスパンション再考
長谷川 悟郎
セッションID: PGa4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.34.0
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本発表は、これまでの研究で語られてきたイバンの民族的特徴とされてきた森の中の自由な開拓移動について、人びとの間で伝統的に受け継がれてきた護符信仰の側面に注目しながら、社会経済的側面だけではなく、じつは神霊とのつながりのなかで形成される信仰の側面から多大な影響を受けていることを民族誌的に再検討をこころみる。
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森との交感の民族誌
プナンにおける人と自然
奥野 克巳
セッションID: PGa5
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.35.0
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本発表では、マレーシア・サラワク州の狩猟採集民プナン(Penan)を取り上げて、<痕跡(uban)>、<過去の実在を想う(tawai)>、<控えめで、慎み深い(ngeluin)>というプナン語の三つのキーワードを手がかりとしながら、彼らが、どのように人と人だけでなく、人と森のなかの自然の景観や事物との間で深い情緒的な交感関係を築いているのかを民族誌のなかに描き出し、考察検討する。
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(158K)
分科会
23日(土) 13:30-16:25 G会場
分科会Gb 「映像資料にみるイスラーム的宗教実践:地域間比較研究における「家族的類似」概念の可能性をめぐって」
代表者 吉本康子・阿良田麻里子
映像資料にみるイスラーム的宗教実践
地域間比較研究における「家族的類似」概念の可能性をめぐって
吉本 康子, 阿良田 麻里子
セッションID: PGb0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.36.0
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イスラームは世界各地の、言語文化的に多様な地域に根付いている。その実際の在り方を、本質論的な概念を前提とした専門用語をもって文字化することには様々な弊害がある。本分科会では、イスラーム的な宗教実践を扱った映像資料を用いて、地域横断的にムスリムの様相を視覚で認識した上で考察する。これにより、文化人類学的な比較研究の新たな方法論を提起し、「家族的類似」概念を援用したムスリム研究の可能性を提示する。
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(175K)
「公定のムスリム」とイスラーム的宗教実践
ベトナム中南部チャム・バニの社会における「クルアーン」朗誦
吉本 康子
セッションID: PGb1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.37.0
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本発表は、ベトナムの「公定のムスリム」、チャム・バニの「クルアーン」朗誦の実態を通して、従来の研究において自明視される傾向にあった「イスラームの共通項」としての要素を、個別社会の文脈の中で考察する。その上で、チャム・バニの宗教の再定位を試みるとともに、ベトナムの「公定のムスリム」あるいは「ホイ・ザオ」の宗教実践が多配列クラスであることを指摘する。
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霊宝の沐浴
インドネシア・西ジャワ農村のムハンマド生誕祭と祖霊祭祀
阿良田 麻里子
セッションID: PGb2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.38.0
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本発表では、近代化の進むインドネシアで周縁へと追いやられつつある混淆的なイスラームの宗教実践を描く。ムスリムが圧倒的多数を占める西ジャワのスンダ人社会ではイスラームの信仰の形も多様である。ムハンマドの生誕祭にあたって行われる霊宝の沐浴儀礼を事例として、供え物を前に安息香を焚きながら祖霊に捧げる祈りと集団でアラビア語の祈祷を唱える神への祈りがないまじりになった宗教実践の形を映像資料を用いて報告する。
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(211K)
混淆する「伝統」と「正統」
中国・西安市のムハンマド生誕祭
今中 崇文
セッションID: PGb3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.39.0
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本発表は、中国・西安市に暮らすイスラーム系少数民族、回族のムハンマド生誕祭を事例として、「伝統」と「正統」の混淆する宗教実践の様相を描こうとするものである。本来、ムハンマドの生没日に営まれるとされる「聖紀」を、春節の時期に行っている人々がいる。「正統」なイスラームの存在を意識しながらも、「伝統的な」宗教実践こそが「われわれの」のイスラームであるという意識があることを映像資料も用いて報告する。
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聖なるものの共有と占有
東地中海地域アラビア語圏における聖者アル・ハディル崇敬の事例より
菅瀬 晶子
セッションID: PGb4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.40.0
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本発表は、東地中海地域アラビア語圏における、アブラハム一神教徒すべてによる聖者アル・ハディル崇敬の共有の事例をとおして、非イスラーム的、非一神教的要素を取り入れたイスラーム実践のありかたを提示することを目的としている。一方で、イスラーム主義復興の影響により、イスラームの文脈で「純化」され、排他性を帯びつつある聖者崇敬の様態とあわせて、映像と写真をもちいて紹介する。
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(168K)
「正当」化される地域的宗教実践
現代12イマーム・シーア派における宗教界をめぐって
黒田 賢治
セッションID: PGb5
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.41.0
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本報告では、イスラームの12イマーム・シーア派の宗教実践を「多配列クラス」として捉え直すとともに、「多配列クラス」的な実践のあり方に対して何らかの形で境界を形成しつつ、多様なローカルな宗教実践のあり方が並存する状況を生んできたメカニズムについて、20世紀後半からグローバルに活動地域を拡大させてきた12イマーム・シーア派宗教界に焦点を当て、イランとアメリカの事例を基に映像資料をまじえながら検討する。
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(264K)
分科会
24日(日) 9:00-11:25 G会場
分科会Gc 「アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明:政治・宗教、砂漠化、家畜生産」
代表者 嶋田義仁
アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明
政治・宗教、砂漠化、家畜生産
嶋田 義仁
セッションID: PGc0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.42.0
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アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明を、政治・宗教、砂漠化、家畜生産の3つの観点から論ずる。アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明とは、旧大陸中央にひろがる乾燥地域に成立した文明で、これを人類文明形成の母胎となった文明として評価し、人類文明史再構築の一助とする。政治・宗教問題ではイスラームと社会主義との関連、砂漠化問題ではこの地域の環境問題を、家畜生産では乾燥地域の主要生業である牧畜の食糧生産を論ずる。
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(151K)
アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明論とイスラーム文明
嶋田 義仁
セッションID: PGc1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.43.0
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アフリカのサハラ砂漠から、中東を経てモンゴルにまで広がる乾燥地域に成立した文明をアフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明と名付ける。イスラーム文明の形成基盤は、中東アラブだけでなく、サハラ南縁乾燥地域からインド、インドネシアまで広がる多民族的な世界である。イスラーム文明は、アフロ・ユーラシア大陸規模でのグローバル化の思想的基盤を提供した宗教であるといえる。
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(147K)
アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明研究における乳文化
平田 昌弘
セッションID: PGc2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.44.0
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「搾乳・乳加工・乳利用」。アフロ・ユーラシア乾燥地が人類社会に貢献した一つの大きな発明であり、文化遺産である。乳文化の発明により牧畜という生業が成立した。現在のところ、乳文化は西アジアでBC7千年紀にまで遡れ、西アジアで一元的に起原したと考えられている。その後、西アジアから発酵乳系列群の乳加工技術が北方域に伝播し、乳文化は二極化(ユーラシア大陸における乳文化の一元二極化説)していったものと考えられる。
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(110K)
早すぎた「文明の衝突」?
社会主義者ウラーンフーの牧畜政策と中国との相克
楊 海英
セッションID: PGc3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.45.0
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1947-1966年までに内モンゴル自治政府(のちの内モンゴル自治区)のリーダーだったモンゴル人社会主義者ウラーンフー(烏蘭夫)の牧畜政策を取り上げる。モスクワでコミンテルンの訓練を受け、中国領内で民族自決に基づく連邦国家を創りたかったが、実現しなかった。その後は草原の開墾を禁止し、農耕地の開拓を制限する政策を一貫して維持したことで、漢人の北京当局と衝突した。誰よりも早く、1940年代から環境保護を訴えていたその政策を文明史の視点で整理し、検討する。
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(182K)
環境政策からみた中国の牧畜理解
児玉 香菜子
セッションID: PGc4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.46.0
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本発表の目的は、中国内モンゴル自治区エゼネ旗における「生態移民」の事例から、環境政策における中国の牧畜理解を明らかにすることである。
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(214K)
分科会
23日(土) 9:30-12:25 H会場
分科会Ha 「身体化された心の人類学的解明:言語・記憶・認知・社会」
代表者 菅原和孝
身体化された心の人類学的解明
言語・記憶・認知・社会
菅原 和孝
セッションID: PHa0
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.47.0
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認知科学で発展した「身体化された心」の動向を人類学のフィールドワークと交叉させ、言語、認知、記憶、社会について、多様な民族誌的文脈に即して考究する。
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過去の出来事への身体の投入
グイの身ぶり論序説
菅原 和孝
セッションID: PHa1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.48.0
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南部アフリカの狩猟採集民グイにおいて中年男性の約80分にわたる語りを分析対象とし、身ぶりと発話の連関を分析する。とくに、その再現に際して顕著な身ぶりが見られた5つの出来事に焦点を当て、以下の5点に注目する。1)生業動作の模倣的再演、2)過去の出来事への身体の投入、3)直示による環境探索、4)全身を動員した出来事の再演、5)語り手と聞き手のあいだの協働。最後に、口頭言語の身体化について論じる。
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声の汚染、体内の媒介
フローレスにおける身体と心と言葉
青木 恵理子
セッションID: PHa2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.49.0
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言葉は、感情や思考の記述や吐露にとって、重要なものであり、心の問題を考える場合に避けて通ることはできない。声として発される言葉は、常に声によって汚染されて、零度であることはない。本発表は、東部インドネシア・フローレス島中部山岳地帯の一地域の人々の心=身の問題系を、声と言葉という観点から明らかにすることを目的とする。
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交合する身体
心的表象なき記憶とことばのメカニズム
大村 敬一
セッションID: PHa3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
DOI
https://doi.org/10.14890/jasca.2012.0.50.0
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本発表では、心的表象なしで記憶とことばをどこまで考えることができるか、カナダ極北圏の先住民、カナダ・イヌイトへの発表者のインタビューを素材に検証する。そして、ギブソンのアフォーダンスの議論とメルロ=ポンティの身体図式の議論を組み合わせながら、記憶は身体図式として身体に埋め込まれているという仮説を提示し、その身体図式を重ね合わせようとする営みとして「ことば」を再定式化する試みを展開する。
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