「国防」と「精神文化」のはざまで

ベトナム国境地域における仏教寺院建設事業を通じた公共空間の検討

抄録

本発表の目的は、ベトナムで近年みられる新たな仏教寺院建設に注目し、宗教と公共空間に関する議論から検討することである。より具体的には、中越国境地域クアンニン省の市場街ハイハー県にて2012年から取り組まれたH寺院事業を事例として、活動に関わる人々の言動を分析し、この事業が人々の異なる意見を通じてせめぎあう空間として、不均質さを孕みながら構成されている点を指摘したい。そこからベトナムにおける宗教と公共空間の関わりを探求する。