日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
ISSN-L : 2189-7964
日本文化人類学会第54回研究大会
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分科会9 歓待のエスノグラフィ 他者への関係づけをめぐる人類学的考察
異質な他者を扱う方法
カントの平和論を手掛かりにソロモン諸島の「民族紛争」の事例から考える共生の課題
*藤井 真一
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p. A22-

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抄録
カントの平和論における二種類の権利(訪問権と客人権)に注目して、ソロモン諸島で生じた紛争前後のガダルカナル島北東部における民族間関係について考察する。島を跨ぐ通婚関係を築いていた人びとと紛争時に排斥された人びとの事例を提示しつつ、ガダルカナルの人びとが、言語・文化的に異質な他者であり、潜在的な敵として認識されうるマライタ系住民を自身の土地へと迎え入れる際の処遇という視角から分析し、現代的武力紛争の周辺で生じうる歓待と排除(共生)の問題を考察する。
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