抄録
景観人類学では外的/内的景観という概念が提唱されてきた。この整理は景観そのものを区別しているわけではなく、景観に対する眺め方の違いであると解釈できる。つまり、現地住民であってもイメージの世界などを共有しないと内的なまなざしは得られない。この内的なまなざしを経験するのに有効なのが、民話の提供するイメージ世界である。そこで本発表では、現地住民や外部者が民話による内的なまなざしを経験するための教育と観光の実践を取り上げることで、民話はどのような世界観を提供し、どのように活用されるべきなのかを明らかにする。