間身体的交感をめぐるコミュニケーションの作法

ジャカルタ郊外のブタウィ人集落における民俗芸能としての武術実践

抄録

本発表は、都市郊外の集落で実践される伝統武術を考察する。当地の武術は、二人一組による技の探索を核心とし、常態的な改変が伝統の存続に不可欠の要素であるという意識のもと行われる。こうした実践の歴史的累積から自然と意識されるようになる集落の独自性の意識が、個人の単独性や民族の共通性の意識といかにして両立するのかを、武術、演劇、そして他流派間の技の差異と類似をめぐるコミュニケーションの実践から説明する。