メラネシアの活火山から考える人新世の人類学

抄録

メラネシアにおける活火山とそれを取り巻く社会・科学技術・地質条件をはじめとする自然環境・噴火という現象への社会の反応を通じて、社会関係論では説明しきれない「モノ自体としての自然」を考察する。従来の人新世の議論において自然は文化・社会的文脈の中に位置づけられてきたが、火山というダイナミックな自然の検討を通じて「モノ自体としての自然」＝「実在としての自然」を視野に入れた概念として人新世を再解釈する。