抄録
本稿は、リスク意思決定に対する不確実性情報の管理の有効性を示すべく、「リスク」の分類を明確に区別した上で、先行研究のレビューを通じて、まず「不確実性」を「科学的不確実性」と「社会的不確実性」に区分し、次に科学的不確実性を「情報的不確実性」と「技術的不確実性」の2区分、また社会的不確実性を「経済的不確実性」、「政治的不確実性」、「行政的不確実性」、「法的不確実性」、「倫理的不確実性」、そして「心理的不確実性」の6区分に細分化し、具体的事例を挙げて区分の必要性とその位置付けを論じた。この不確実性の細分化によって、その政策的効果と不確実性情報の管理のあり方を新たに示すことができた。