抄録
要 旨
背景:大きな健康リスクである受動喫煙は、医療機関、教育機関では特に問題である。医療系学部、教育系学部をもつ総
合大学として、学生および教職員の喫煙状況の把握を目的として喫煙率の調査を行なった。
方法:鶴見大学構成員に対する喫煙率の調査を自己記入式の無記名アンケートによって行なった。アンケートの回収は、
学生については、年度始めのオリエンテーション時に、教職員については健康診断の際に行なった。
結果: 2003 年から2018 年までの調査の結果、学生の平均喫煙率は当初の13%から2018 年には4.5%に減少した。教職員
の平均喫煙率も当初の23.1%から2018 年の13.5%へと減少していた。学生の喫煙率では、文学部、短期大学部よりも歯学
部の喫煙率が高く、歯学部内では低学年よりも高学年の学生の喫煙率のほうが高い傾向が見られ、教職員では、附属病院
の20 歳代から30 歳代、歯学部の30 歳代から40 歳代の喫煙率が高かった。
結論:学生、教職員ともに特定の集団において高い喫煙率が確認された。特に、臨床に携わる学生、教職員に対する禁煙
教育や啓蒙活動が必要と考えられた。鶴見大学では、2020 年からの敷地内全面禁煙が決定されており、それによるさらな
る喫煙率の低下が期待される。今後は敷地内全面禁煙が学内および学外環境への影響を調査、検討していく。