禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
若年喫煙者における短時間得喫煙の 離脱症状・喫煙衝動の時系列的変化
-日本語版MPSSを用いて-
満石 寿 藤澤 雄太前場 康介竹中 晃二
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 vol.6 巻 01 号 p. 2-8

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抄録
要 旨
 本研究は、若年喫煙者における短時間禁煙時の禁煙に伴う離脱症状および喫煙衝動の時系列的変化を明らかにすることを目的とした。
 対象者(20名)は3時間の禁煙を行い、1時間ごとに日本語版MPSSを用いて離脱症状および喫煙衝動を評価した。MPSSのそれぞれの質問項目の平均得点を従属変数として2要因{喫煙本数(低群/中群/高群)×評価時間(喫煙直後/禁煙1時間後/禁煙2時間後/禁煙3時間後)}の分散分析(混合計画)を行った結果、時間の経過とともに「いらいら感」、「落ち着きのなさ」、「集中力の欠如」および「喫煙衝動(頻度・強さ)」が有意に増加した。また、喫煙直後から禁煙3時間後の変化量に対する相関関係は、「いらいら感」、「落ち着きのなさ」、「集中力の欠如」、「喫煙衝動の頻度」ではそれぞれの間に正の相関が認められた。
 以上の結果より、短時間の禁煙において「いらいら感」、「落ち着きのなさ」、「集中力の欠如」、「喫煙衝動」は「抑うつ感」および「空腹感」と比較してより早く生じ始めることが示唆された。
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© 2012 日本禁煙科学会
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