抄録
要 旨
目的:禁煙化前後のPM2.5および尿中コチニン測定値の変化と禁煙化に伴う実態を把握し禁煙化の効果と推進に関する要因
について明らかにする。
方法:2013年11月から2014年1月までに自記式質問紙により、禁煙化施設を対象にアンケート調査を実施するとともに、
禁煙化前後にPM2.5による空気環境と従業員の尿中コチニン濃度測定を実施した。
結果:禁煙化施設のPM2.5による空気環境測定結果は、敷地内禁煙以外の施設は、喫煙場所において受動喫煙が示唆される
結果が示された。また81名の非喫煙者の尿中コチニン濃度測定結果から敷地内禁煙施設は、その他の禁煙化施設と比較し
尿中コチニン濃度が有意に低く(p = 0.000)、禁煙化前との比較でも有意に低いことが確認された(p<0.05)。55施設の
禁煙化施設への調査結果から禁煙化に効果の高かった取り組みは、禁煙化の周知徹底、トップの禁煙宣言、非喫煙者も含
む教育であることがわかった。
結論:職場の受動喫煙を確実に防止する効果的な受動喫煙対策は、敷地内にも喫煙場所を設けない全面禁煙であることが
示唆された。