抄録
要 旨
目的:神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例施行後の現状を、PM2.5 による環境測定と尿中コチニン測定により評
価し、効果的な職場の受動喫煙対策の在り方を検討する事を目的とした。
対象と方法:神奈川県下の施設に対し、微小粒子状物質(PM2.5)を測定できる粉塵計による施設内の空気環境測定と従業
員の個人曝露測定、尿中コチニン濃度測定を実施し条例別、受動喫煙対策別に評価した。
結果:測定結果から禁煙以外を選択した施設は、空気環境も従業員の個人曝露もWHOの基準を超え、分煙・喫煙施設の従
業員の尿中コチニン濃度も5例中4例が受動喫煙を示唆する結果と一致した。
考察:空気環境、粉じんの従業員の個人曝露、尿中コチニン濃度の測定値から禁煙以外の対策では不十分と考えられ、全
面禁煙へ移行する政策が必要であると考えられた。