禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」の 職場の喫煙対策等に及ぼす影響
~第1報 条例後のアンケート調査を踏まえて ~
斎藤 照代 福田 えり戸島 洋一高橋 裕子
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2015 年 vol.9 巻 04 号 p. 1-8

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抄録
要 旨
目的:神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例施行後の実態を把握し、受動喫煙対策の実行を促進および阻害する 要因を調査する。
対象と方法:神奈川県内の公共施設に対し、受動喫煙防止条例施行後の現状を自記式質問紙によりアンケート調査。
結果:918施設のアンケート結果から、条例施行6カ月時点での認知度は全体で88.6%であり、条例後受動喫煙対策が強化 された施設は38%であった。利用者数や売上の変化は、変わらないが最も多く56.3%であったが、受動喫煙対策間で有意 な違いがあり、売上減少が多いのは、分煙施設であった。受動喫煙対策を進める予定がある施設の推進理由は、受動喫煙 は健康に影響を与える可能性があるため、健康増進法のため、受動喫煙防止条例のための順で多く、進める予定がない施 設の予定なしの理由は、受動喫煙防止は喫煙者のマナーの問題である、喫煙室を設けるスペースがない、であった。
結論:条例の認知度は高く、利用者数や売上の変化は分煙を行った施設で減少傾向を認めた。受動喫煙対策推進理由から 受動喫煙による健康影響への認識や法令の施行が受動喫煙対策の促進要因であり、受動喫煙への認識不足や、喫煙室設置 スペースが阻害要因となっていることが分かった。
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© 2015 日本禁煙科学会
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