禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.9 巻, 04 号
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  • ~第1報 条例後のアンケート調査を踏まえて ~
    斎藤 照代, 福田 えり, 戸島 洋一, 高橋 裕子
    2015 年vol.9 巻04 号 p. 1-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    目的:神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例施行後の実態を把握し、受動喫煙対策の実行を促進および阻害する 要因を調査する。
    対象と方法:神奈川県内の公共施設に対し、受動喫煙防止条例施行後の現状を自記式質問紙によりアンケート調査。
    結果:918施設のアンケート結果から、条例施行6カ月時点での認知度は全体で88.6%であり、条例後受動喫煙対策が強化 された施設は38%であった。利用者数や売上の変化は、変わらないが最も多く56.3%であったが、受動喫煙対策間で有意 な違いがあり、売上減少が多いのは、分煙施設であった。受動喫煙対策を進める予定がある施設の推進理由は、受動喫煙 は健康に影響を与える可能性があるため、健康増進法のため、受動喫煙防止条例のための順で多く、進める予定がない施 設の予定なしの理由は、受動喫煙防止は喫煙者のマナーの問題である、喫煙室を設けるスペースがない、であった。
    結論:条例の認知度は高く、利用者数や売上の変化は分煙を行った施設で減少傾向を認めた。受動喫煙対策推進理由から 受動喫煙による健康影響への認識や法令の施行が受動喫煙対策の促進要因であり、受動喫煙への認識不足や、喫煙室設置 スペースが阻害要因となっていることが分かった。
  • ~第2報 PM2.5と従業員個人曝露測定結果より ~
    斎藤 照代, 福田 えり, 戸島 洋一, 大和 浩, 望月 友美子, 高橋 裕子
    2015 年vol.9 巻04 号 p. 9-15
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    目的:神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例施行後の現状を、PM2.5 による環境測定と尿中コチニン測定により評 価し、効果的な職場の受動喫煙対策の在り方を検討する事を目的とした。
    対象と方法:神奈川県下の施設に対し、微小粒子状物質(PM2.5)を測定できる粉塵計による施設内の空気環境測定と従業 員の個人曝露測定、尿中コチニン濃度測定を実施し条例別、受動喫煙対策別に評価した。
    結果:測定結果から禁煙以外を選択した施設は、空気環境も従業員の個人曝露もWHOの基準を超え、分煙・喫煙施設の従 業員の尿中コチニン濃度も5例中4例が受動喫煙を示唆する結果と一致した。
    考察:空気環境、粉じんの従業員の個人曝露、尿中コチニン濃度の測定値から禁煙以外の対策では不十分と考えられ、全 面禁煙へ移行する政策が必要であると考えられた。
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