発達障害研究
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インクルーシブ教育時代の教員養成の現状と課題
太田 容次
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2021 年 42 巻 4 号 p. 293-305

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抄録

Society5.0 時代の到来と予測困難な時代のなかで,すべての教員に特別支援教育に関する基礎的な知識・技能の習得が求められ,多様化する児童生徒の教育的ニーズに,その時点で最も的確に応える指導・支援の提供を求められている.従来からの書籍や講義等からの知識・技能の習得はその準備でしかなく,課題解決に向けた一方策として,統合型校務支援システムの導入・活用が全国で進められている.同システムを活用した情報共有や同僚や地域との協働に対応できることや,すべての児童生徒に効果的な授業を行うための ICT(Information and Communication Technology;情報通信技術)の活用,対面授業と遠隔授業の組合せなど,新たな教育形態等に対応するための学びと専門性向上が必要である.そのために養成段階からキャリアステージに応じて,常に主体的で対話的で深く学び続けられることが期待されている.特に養成段階では,この現状認識を教育現場の体験や教員等との相互作用を通して行い,自ら学び始めることが必要であろ う.

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© 2021 日本発達障害学会
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