抄録
本研究の目的は 3 名の ASD 児に対してビデオベース介入(ビデオフィードバックおよびビデオプロンプト)を行うことで,ゲームに負ける場面で生じる不適応行動の減少と社会的スキル 「負けの対処」の獲得を促すことであった.また不適応行動の種類によってビデオベース介入の効 果に差が見られるか否かについても検討した.介入の結果,3 名とも不適応行動の減少と社会的ス キル「負けの対処」の獲得を促すことができた.また不適応行動の種類によってビデオ指導の効果に差が生じることも示された.これらの結果から,ビデオベース介入を行うことにより,ゲームに 負ける場面における不適応行動の減少と社会スキル「負けの対処」の獲得が促されることが示され た.最後にビデオベース介入におけるそれぞれの介入効果と課題,本研究における限界と今後の課題について考察した.