2015 年 13 巻 p. 34-47
地方自治体が目標による管理という方法論で地震災害対応を戦略的に行うことの重要性は従来から指摘されてきたが、目標設定の行い方の具体的な道筋は示されていなかった。目標による管理を実施するためには、目標設定、つまり、いつまでに、何を、誰がするのかを明確にした災害対応の行動計画を発災の事前に策定しておく必要がある。この行動計画は、現実に即し、実効性の高いものでなければならず、そのためには、①時間、②資源、③スコープ・品質、の3要素のバランスをとることが必要であり、これにはPMBOKに代表されるプロジェクトマネジメントの手法が有効である。しかしながら、このマネジメント手法における計画策定ステップの途上には、「ネットワーク図を作り、クリティカル・パスをみつける」というステップが存在する一方、そのような地方自治体の地震災害対応に関するネットワーク図はこれまでに存在せず、次のステップに進むことができない。
本研究はPERT(Program Evaluation and Review Technique)を活用して阪神・淡路大震災の事例研究を行い、地震災害対応ネットワーク図の原型を作成した。この結果、クリティカル・パス分析が可能となり、実効的な災害対応行動計画策定のための条件が一つ整った。