災害情報
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[論文]
日本語教育学から見た災害情報―大阪市災害時用アナウンス文の語彙・表現調査―
中川 歩美
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2017 年 15 巻 2 号 p. 161-172

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抄録

本研究は災害時に外国人住民が情報弱者となる現状を問題視し、特に外国人住民の中でも日本語を学ぶ「日本語学習者」に焦点をあて、災害情報におけるどのような日本語語彙・表現、文法形式が、日本語学習者にとって理解困難であるかを検討することを目的とする。大阪市内で震災時に用いられる公的アナウンスを対象に、形態素解析ソフトKH Coderを用いて語彙・表現の分析を行い、「災害時公的アナウンス 頻出語彙リスト」を作成した。さらに頻出語彙のうち決まった出現形態で用いられる表現を抽出し示すとともに、指示文の文末形式に着目し災害時に多用される文法形式を示した。これらを日本語教育の視点から分析し、日本語の災害情報において、日本語学習者の理解を困難にしていると考えられる語彙、表現、文法形式を示した。

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© 2017 日本災害情報学会
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