災害情報
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洪水時の避難開始行動を記述するシステム方程式の提案
武内 慶了諸岡 良優山田 正
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2022 年 20 巻 2 号 p. 239-250

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抄録

本研究は、洪水時の避難情報や周囲の状況変化、周辺住民の行動といった各種要因が、避難開始行動の時間変化に与える影響を理解するためのシステム方程式を得ることを目的とする。まず、対面形式のアンケート調査で得た、地域の避難開始世帯数の時間変化や避難のきっかけ等から、避難開始行動の特徴を見出した。その特徴に基づき、多数の住民から成る地域の避難開始行動を 1 つの集合体の運動と捉え、システム方程式を導いた。このシステム方程式は、Logistic 方程式を 2 階微分形で表された運動方程式である。このシステム方程式により、累積避難開始人数の時間変化実態を、非常に良く再現できることを示した。これを踏まえ、避難開始行動が以下のように解釈可能であることを示した。1) 複数の避難・水文情報や周囲の状況の変化に応じて蓄積される危機感が、地域の避難率を一義的に規定する。2) 避難指示や溢水等周囲の状況の変化が、地域の避難開始行動の起点となる。3) ある住民の避難開始行動は、残っている他の住民に影響を与え、累積避難開始人数の時間変化が加速・減速する要因の 1 つとなる。4) 感度分析から、率先避難者が多いほど、避難開始総人数が増加するとともに、多くの避難者が避難開始するまでの時間が短くなることが示唆された。

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© 2022 日本災害情報学会
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