災害情報
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津波避難訓練用シミュレータを活用した徒歩避難経路検証手法の提案
荒川 俊也尾林 史章小林 一信山邉 茂之鈴木 高宏
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2023 年 21 巻 2 号 p. 97-107

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抄録

2011 年 3 月 11 日の東日本大震災以降、日頃からの災害に対して備える教育が進められてきた。その一つとして避難経路の理解が挙げられる。しかし、避難経路は、市町村が予め指定する場合や、自主防災組織や住民が設定する場合があるが、その避難経路の妥当性は担保されていない。そのため、設定された避難経路の妥当性について評価方法を構築する必要がある。そこで、津波避難訓練用シミュレータを用い、愛知県西尾市民 17 名に対し、住民の土地勘のある経路を津波避難訓練用シミュレータで徒歩避難する実験を行った。避難時に、避難経路で気づいた点を逐一発話させると共に実験時の視線を計測し、さらに、実験後に実験の様子を収録した映像を提示し、映像提示時に実験を振り返りながら気づきを発話させた。その結果、遠方の目立つ建築物をランドマークとして把握しながら避難する傾向や、避難時に広い道路のある方向に行けば良いという意識が潜在的に働いていることが示唆された。これに加え、避難経路上で位置を把握しにくい箇所を抽出し、実際の避難経路と異なる経路を辿った結果や理由を考察することで、避難経路を探索する際の傾向把握やランドマーク設置の妥当性評価も可能であることが示唆された。このことから、津波避難訓練用シミュレータを活用することで避難経路の策定や問題点抽出に関する議論の土台を構築でき、防災・減災の政策や検討に寄与できる可能性がある。

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