2005 年 3 巻 p. 37-49
近年、洪水ハザードマップを作成・公表する自治体が増えてきた。背景としては、平成11年の福岡水害、平成12年の東海水害に見られる都市型水害が増加してきたことが挙げられる。そして、平成13年には水防法の一部を改正する法案が施行され、洪水予報指定河川を有する自治体においての作成・公表が義務付けられた。
しかし、洪水ハザードマップの一般住民における認知度は低く、マップ自体の内容に関しても問題を抱えるものも少なくない。認知度の問題は、今後多くの自治体が洪水ハザードマップを作成・公表し、広報活動に勤めることによって解決されるであろう。しかし、内容に問題を抱えるものが一般に認知されたところで、実際の災害時には役に立たない。
本論では、現在東京都において作成・公表されている洪水ハザードマップを収集し、その内容の分析を行った。分析において浮かび上がった問題点は、作成する側である自治体が、誰が、いつ、何のために使うかという目的が明確にされていないということである。
さらに、今回収集した洪水ハザードマップを1)災害時の避難のみに使用することを目的としている“避難型”、2)平常時の防災教育を視野に入れている“防災教育型”、3)上の二つのどちらともつかない“混在型”の三つのタイプに分け、特徴と問題点について述べた。
最後に今後の作成に向けて注意すべきことを述べた。