抄録
海外の実証研究では、状況的要因と被害との関連について知見が蓄積されてきた。本研究は、若年者の被害について、機会構造/選択モデルの適用可能性を検証することを目的とした。
900名(女性600名、男性300名、平均年齢25.49歳(18歳から32歳まで))に対するWeb調査のデータにもとづき、ロジスティック回帰分析と負の二項回帰分析を用いて、機会構造(近接性、状況への曝露)、選択(見守りの不在)が被害の危険性と関連するかを検証した。主要な結果として、状況への曝露は概してすべての種類の被害リスクと関連すること、近接性は一部の被害リスクと関連すること、見守りはどの種類の被害とも有意に関連しないことが明らかになった。状況への曝露(夜間や屋外での日常活動)が被害リスクの高さと関連するという結果から、夜間における屋外の日常活動に焦点を当てた教育プログラムが被害リスクを低減する上で有効である可能性が示唆される。