抄録
本研究は、大学生を対象に暑熱環境下におけるスポーツ観戦時の水分摂取に関する意識調査を行い、スポーツ観戦中の熱中症に対する危機管理意識の現状を把握することを目的とした。教育学部に所属する大学生528名(男子164名、女子364名)を対象に、暑熱環境下での各状況における水分摂取量と嗜好飲料に関する意識について、集合調査法による選択式アンケートを実施した。その結果、「スポーツ活動中」に意識的に水分摂取量を増やすと回答した者は84.1%であったのに対して「スポーツ観戦中」は水分摂取量を特に意識しないと回答した者は41.9%であった。また、熱中症対策として推奨されているスポーツドリンクを摂取している者は「スポーツ活動中」44.7%であったのに対して、「スポーツ観戦中」23.3%であった。以上のことから、スポーツ活動中と比較して、ほぼ安静状態であるスポーツ観戦中における熱中症に対する危機意識が低い可能性が示唆された。今後、スポーツ観戦中の熱中症予防について、さらなる啓発が必要であることが考えられた。