抄録
スポーツ教育において安全性の確保は極めて重要であるが、死亡事故や障害事故が数多く発生している。我々の先行研究では、スポーツの中で最も危険な動作の一つである水泳の飛び込みスタートにおいて、熟練者であってもスポーツ事故のリスクがあることを報告した。本稿では、危険な水泳の飛び込みスタート動作の背景に、生徒の安全性を損なう精神状態、練習状況、指導の言葉があるのではないかと考え、検証した。水泳競技に参加する高校生を対象にアンケート調査を行った。その結果、生徒の集中力の低下は危険性を高める主な要因ではなく、動作を早く達成したい、より良い技術を探求したいといった心理状態が、生徒に危険な動作を行わせていることが明らかになった。指導者は、危険な動作を練習する際、いくつかの言葉や指導方法によって、これらの心理状況をコントロールする必要があることを示唆している。