抄録
医学生が、継続的変化が続く地域医療に対応できるスキルを修得するためには、学修者である彼ら自身が「学修目標」を明確に認識し、「学修方法」を研磨する必要性がある。今回、本学 3 年次医学生の医科学研究において、「地域医療教育カリキュラム作成シミュレーション」を行ったので報告する。事前学修として地域医療や医学教育モデル・コア・カリキュラムに関する知識を得た。次に、さぬき市民病院、坂出市立病院、三豊総合病院、綾上診療所の4病院における島嶼部や山間部を含む地域の訪問診療や巡回診療におけるフィールドリサーチを行った。その後、地域医療における医療面接、離島医療、診療参加型臨床実習に関するカリキュラム作成シミュレーションを施行した。シミュレーション後の医学生からは地域医療に対する理解が深まっただけではなく、自ら学修目標を省察する意義を感じたという肯定的意見があった。医学生自らがカリキュラム作成を経験することは、彼ら自己調整学習力を高め、学修効果を増加させることができる可能性がある。