2020年、新型コロナウィルス感染症(以下、新型コロナ)の拡大を受け、人々の日常が大きく変化した。他者との密集、密接、密閉の「3密」を避け、県境を跨いだ移動は自粛を求められた。このことは、大学生の就職活動にも大きな影響を与えた。例年大学生の就職活動が解禁される3月1日は、合同会社説明会が各地で大規模に開催されるが、2020年はその殆どが中止された。世の中が急激に変化する中で自身の進路を決める必要があった学生たちには、どのような影響があったのだろうか。特に移動が制限され、人との関わりが希薄化することが、学生たちの就職意識にどう影響しただろうか。
本研究では、地方大学に所属する学生たちが、就職活動初期の重要なプロセスで新型コロナの影響を受けたことで、彼らの就職意識にどのような影響があったのか、学生へのアンケート調査から明らかにした。その結果、会社規模や人間関係を重視する気持ちの強まりが確認された。