今日の我が国のショッピングセンター(SC)は、購買行動の変化、過剰店舗やコモディティ化の影響により、厳しいビジネス環境にある。
本研究では、イオンモールを中心に、消費者と企業との価値共創を念頭においたサービス・ドミナント・ロジック(以下S-Dロジック)(Vargo & Lusch 2004;2008)の視座を拡張し、SC全体を通じた価値共創について分析を行う。具体的には、イオンモールのテナント分析とインターネット調査に基づく共分散構造分析による2つの実証分析を通じて、地域コミュニティに貢献する持続可能なSCとは何かを明示し、価値協創を促す中心としてディベロッパー企業が消費者ならびに地域とテナント企業をつなぐ新たな役割を明らかにしている。