社会・経済システム
Online ISSN : 2432-6550
Print ISSN : 0913-5472
大都市から地方への人口移動における社会経済的要因に関する研究
―固定効果法を用いたポアソン重力モデルによる縦断的分析―
荒川 清晟
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2024 年 43 巻 p. 105-116

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抄録

 日本の総人口が減少し、東京圏への人口一極集中が大きな問題となる中、国策として地方への移住が推進されている。しかし、人口移動と諸要因との関連を分析した研究は、市区町村単位で分析したものは少なく、横断的な分析に留まるものが多い。そこで、本研究では、政令指定都市及び東京都特別区部から、大都市圏に属する周辺市町村を除く市町村への人口移動を対象に、ポアソン重力モデルに移動元、移動先ペアの固定効果、時点の固定効果を追加した固定効果モデルを用いて、縦断的分析を行った。その結果、移動先の総人口、第1次産業就業者比率、基準地価、幼稚園数が、大都市から地方への人口移動に正の影響をもつなど、各地域の社会経済的変数のうち、移動元、移動先合わせて11個の変数が、大都市から地方への人口移動と関連していることを明らかにした。

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© 2024 社会・経済システム学会
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