抄録
IT システムを活用し企業価値を高めるためには、経営層、情報システム部門、システム利用部門などの関係者が便益とリスクを共有して活動する必要がある。本論文は、リスク情報を容易に共有するために、IT システムが生み出すキャッシュフローをベースとした評価関数と、システムの機能、業務施策、業務プロセスの価値連鎖の両者を考慮した価値評価関数を提案する。価値評価関数の中に確率分布を導入し、業務プロセスの不確実性が価値連鎖を通じて企業価値に与える影響のシミュレーション例を示し、本評価関数のリスク管理への適用可能性について論じる。