明治天皇の第一次小梅行幸時における徳川昭武邸の座敷飾に関する分析的考察

19世紀大名家のインテリア研究(2)

抄録

明治天皇の第1次小梅行幸時における徳川昭武邸の座敷飾は，御成等の先例を踏襲しつつも，水戸徳川家や昭武自身の文化的事績を反映した独自性を示すことが,「小梅臨幸記」の分析的考察によって明らかになった。そして，政治史との関連において，その独自性にこそ歴史的意義があるといってよい。