抄録
ライフスタイルの変化・変革に着目し,現在の住宅における収納の仕方および収納空間の現状とその問題点を明らかにした。収納に関わる生活行動を数量化Ⅲ類により類型化し,居住者を3タイプ−タイプⅠ[保有型],タイプⅡ[管理利用型],タイプⅢ[管理運用型]に分類した。地球環境を考慮した今後の社会に必要とされる生活スタイルは,ものを大切に使い地球環境への意識が高いタイプⅠである,タイプⅠの中でも,利用に価値を置く生活スタイルが,リサイクルの面から環境を考慮した循環型社会の形成に重要となる。タイプⅠはものを多く所有する傾向があり,収納に対する不満が高い点からも,現在の住宅収納は充分に対応していない。ライフスタイルの変化・変革がもたらす収納の課題に対し,住宅の計画段階から考慮する必要があり,居住者の生活スタイルを踏まえた収納計画が望まれる。