抄録
本研究は,マルコフ連鎖モデルを用いて着座姿勢の動的特性を分析したものである。調査対象は,劇場椅子と電車シートにおける着座姿勢である。動的姿勢を遷移確率行列で表現した結果,既約的で非周期的なマルコフ連鎖であることがわかった。 また,長時間に各姿勢を訪れる相対頻度 (定常分布)を求めたところ,確率的に基本となる姿勢が複数存在することがわかった。頻度が一番高い姿勢は,従来から椅子の設計の基準とされてきた姿勢であるが,その他にも比較的頻度の高い姿勢があり,それは劇場椅子の場合と電車シートの場合とでは異なることがわかった。