抄録
人の自由な活動が想定される建築空間の計画手法を,家具アレンジのモンテカルロ・シミュレーションによって明らかにしている。 まず,プランニングの自由度が, ランダムアレンジを多数回試みたときの実用パターンの出現率によって推量され,続いて,それに家具アレンジの組み合わせ数を乗じて,空間の総合的な能力である家具能率が求められる。家具能率は,空間の広さ,家具量,形状によって特異な変化を示し,計画指標として有効に使用できる。ランダムアレンジの成果は,家具分布のランダム度によって評価される。ランダム度もまた,空間の広さ,家具量,形状によって特異な変化を示し,プランナーに最良の設計方法を示唆する。