日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
ライフスタイルからみた環境共生に関わる住み方と住要求
中村 久美今井 範子
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 20 巻 p. 37-45

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抄録
自然と呼応する住み方と住要求を,居住者のライフスタイルと関連付けて明らかにした。生活態度の主体性,積極性と,生活運営における時間的見通しの程度により,居住者のライフスタイルは4つのタイプに分類される。生活態度は消極的で現時点での生活のしやすさの追求や当面の問題解決に主眼をおくタイプⅠ,主体的,積極的な生活態度を有し時間的な見通しをもって生活するタイプⅡ,主体的な生活を送り住空間にも積極的に関与していくが,思考の対象はあくまで当面の生活に限定されるタイプⅢ,先の見通しはもっているものの,日々の生活姿勢はどちらかというと受身で消極的であるタイプⅣ,以上の4タイプである。 主体的,積極的な生活態度を有し,時間的見通しをもって生活するタイプⅡの居住者は,日常生活に季節変化を取り入れ,開口部へのはたらきかけや部屋の使い方によって自然を調整して住んでいる。省エネや省資源に関わる生活行動に対しても積極的である。彼らは,自然を取り込むための開放的な間取りや開口部の確保といった空間計画の基本事項に加え,内外中間領域としてのバルコニーの充実化や省エネ設備などへの住要求が高い。今後の住宅計画では,時間的見通しをもって積極的に暮らしを営むタイプⅡ のようなライフスタイル志向の居住者の住要求を満たす方向で検討する必要がある。
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© 2010 日本インテリア学会
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