日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
20 巻
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  • 布田 健, 加藤 正男, 田中 眞二, 小川 慧, 垂井 健吾
    2010 年20 巻 p. 1-6
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,階段の安全性に関わる評価手法の確立を目的とするものである。本報では,被験者実験から各種要因の影響程度を定量的に把握するとともに,その結果から評価手法確立のための考え方を示した。実験の結果として,①勾配が安全性評価に対し最も大きく影響し,勾配が緩やかなほど評価が高い。②手すり設置は,安全性に対する評価を高める。③安全に寄与すると考えられる蹴込板設置の効果は,踏面の寸法により評価が分かれ,踏面が小さい場合マイナスに評価される。④勾配や手すりの効果は,昇りよりも降りに対して大きい。という事がわかった。
  • 白石 光昭
    2010 年20 巻 p. 7-14
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,内装材に使用されている仕上げ材料を対象に,①観察距離が変化するにつれ変わっていく材料表面の見え方を識別する距離が照度・色温度で変化するのか,②色温度と観察距離の違いによって,材料の印象は変化するのか,の二項目について実験を行い,両者の関係を探る。観察距離については,照度が低い場合に識別できる距離が近くなると想定されたが,今回の実験ではレンガの目地,タイルの目地,タイル表面の歪み,御影石のピンク色,大理石の光沢の5条件のみであった。色温度による識別距離の差はあまり見られなかった。印象評価については,色温度が低い場合に「陽気な,親しみやすい」の評価が高くなる傾向があった。また,色温度が高い場合で遠くから試料を見る場合,いくつかの試料で「親しみやすい,暖かい,美しい」との印象が低い傾向がみられた。以上から,素材により傾向は異なるが,観察距離と照度や色温度の照明の要因は,いくつかの条件において見え方と印象評価に影響を及ぼしていることが明らかになった。
  • 根本 賢, 若井 正一
    2010 年20 巻 p. 15-20
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,1999年に改訂された学校用家具の新 JIS 規格に基づく教室用の机といすが,順次導入されることを想定して,当該 JIS 規格の教室用机といすを対象に学校の普通教室において児童・生徒の座席周囲に必要な動作スペースに関する人間工学的な実験を行ったものである。 本実験の内容は,以下の通りである。 1)前後の机間でいすに立つ座る動作に必要なスペースに関する計測実験 2)左右の机間で構成される通路幅の通り抜け動作に必要なスペースに関する計測実験 3)机と壁の間に構成される通路幅の通り抜け動作に必要なスペースに関する計測実験 本実験の結果から,学校教室における児童・生徒の座席周囲に必要なスペースに関する計測値を得ることができた。当該計測値は,児童・生徒が日常使用する教室用机・いすの座席数と教室の規模の関係を定量的に把握する基礎資料となることが予期される。
  • 荒木 志織, 橋本 雅好
    2010 年20 巻 p. 21-27
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,美術館はより人々に身近なものとなり,人々の注目を集めるようになった。様々な美術館の展示空間の面積,高さ,容積を計測し,年代を追って時系列変化を検証すること,鑑賞順路を想定して展示空間の変化を検証し,展示空間同士のつながりの法則性を探ることについて,ヴォリュームに着眼して明らかにすることを目的とした。その結果,展示空間のつながりでは,面積・容積について,変化を持たせた展示空間が年代を追って増えており,特に,2000年以降多く見られることが明らかとなった。
  • スペースデザインの視点からの考察
    下村 滋美
    2010 年20 巻 p. 29-36
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究はシスティーナ礼拝堂の芸術空間の変遷を宗教的,政治的,図像学的な視点からだけではなく,インテリア空間として,スペースデザインの視点から考察したものである。そのために,新教皇即位のたびに変化した壁面装飾の4段階を各装飾プランに従って,礼拝堂のインテリア模型を約1/100サイズで制作した。そして,この三次元的に構成された模型を利用し,天井および側壁のフレスコ壁画連作相互の関連性を,スペースデザインの視点とキリスト教図像学の視点から検討してみた。 その結果,礼拝堂のスペースデザインは4段階のうち第2段階と第4段階のフレスコ壁画制作を担当したミケランジェロの主導的構想によって,壁画空間に強力な時間軸が設定されたことがわかった。つまり,側壁に描かれた「モーセ伝」と「キリスト伝」連作は現在へとつながる歴史時代,天井画の「天地創造」連作は旧約聖書における神話時代,正面(主祭壇の奥)の「最後の審判」はやがて訪れる未来のイメージという明快な時間軸の上に再構成されたと考えられるのである。システィーナ礼拝堂のインテリア装飾は決して第1段階からトータルに決定されたものではなく,ミケランジェロの関与によって《キリスト教図像学の一貫性》と《様式表現上の変化》(ルネッサンスからバロック)の両者が効果的なスペースデザインとして統合,再構築されたといえよう。
  • 中村 久美, 今井 範子
    2010 年20 巻 p. 37-45
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    自然と呼応する住み方と住要求を,居住者のライフスタイルと関連付けて明らかにした。生活態度の主体性,積極性と,生活運営における時間的見通しの程度により,居住者のライフスタイルは4つのタイプに分類される。生活態度は消極的で現時点での生活のしやすさの追求や当面の問題解決に主眼をおくタイプⅠ,主体的,積極的な生活態度を有し時間的な見通しをもって生活するタイプⅡ,主体的な生活を送り住空間にも積極的に関与していくが,思考の対象はあくまで当面の生活に限定されるタイプⅢ,先の見通しはもっているものの,日々の生活姿勢はどちらかというと受身で消極的であるタイプⅣ,以上の4タイプである。 主体的,積極的な生活態度を有し,時間的見通しをもって生活するタイプⅡの居住者は,日常生活に季節変化を取り入れ,開口部へのはたらきかけや部屋の使い方によって自然を調整して住んでいる。省エネや省資源に関わる生活行動に対しても積極的である。彼らは,自然を取り込むための開放的な間取りや開口部の確保といった空間計画の基本事項に加え,内外中間領域としてのバルコニーの充実化や省エネ設備などへの住要求が高い。今後の住宅計画では,時間的見通しをもって積極的に暮らしを営むタイプⅡ のようなライフスタイル志向の居住者の住要求を満たす方向で検討する必要がある。
  • キッチンでのながら会話と会話の質による検討 その2
    仲谷 剛史, 関戸 洋子, 西出 和彦
    2010 年20 巻 p. 47-52
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では実際の親子を被験者とした実物大実験を行い,キッチン作業の有無・会話の質の違いによる親子間の高さ方向の対人距離の様相を明らかにすることを目的とした。 その結果,以下のことがわかった。 1 F 高さで親がキッチン作業をしている時は, (1) 子どもが1.5F 高さ,2 F 高さといった高低差のある場所に居ると駆けつけられないと感じている。 (2) a)子が1 F 高さでは呼びかけ,日常会話,相談会話の全ての会話が可能であり,b)子が1.5F 高さでは呼びかけと日常会話が可能であり,c)子が2 F 高さでは呼びかけのみが可能である。
  • 上野 義雪
    2010 年20 巻 p. 53-59
    発行日: 2010年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    インテリア分野における人間工学の視点から日本におけるいす・シートの機能性を調べると,いす・シートの座り心地性能や座面高などの調整機構における操作性,着座時の姿勢の安定性など,不十分な製品が多い。その理由は,日本には,いす・シートに対する歴史が少ないことやいす教育の欠如などが考えられる。本研究は,これまでに実施してきたいす・シートの機能実験や評価実験の結果をもとに,いす・シートの評価方法と設計・選択に必要な項目を総合的に整理し,機能的ないす・シートの設計や選択を可能とする設計者や開発者に向けの「設計マニュアル」と「ユーザー」向けの「選択マニュアル」を提案するものである。
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