抄録
インテリア分野における人間工学の視点から日本におけるいす・シートの機能性を調べると,いす・シートの座り心地性能や座面高などの調整機構における操作性,着座時の姿勢の安定性など,不十分な製品が多い。その理由は,日本には,いす・シートに対する歴史が少ないことやいす教育の欠如などが考えられる。本研究は,これまでに実施してきたいす・シートの機能実験や評価実験の結果をもとに,いす・シートの評価方法と設計・選択に必要な項目を総合的に整理し,機能的ないす・シートの設計や選択を可能とする設計者や開発者に向けの「設計マニュアル」と「ユーザー」向けの「選択マニュアル」を提案するものである。