抄録
本研究では実際の親子を被験者とした実物大実験を行い,会話の質の違いによる親子間の平面方向の対人距離の様相を明らかにすることを目的とした。その結果,以下のことがわかった。
(1) 親がキッチン作業中,親子の向きによらず,会話が無理なく可能な親子間の距離の最大値は,呼びかけが4m,日常会話が3m,相談会話が2m,勉強会話が2mである。
(2) 親子の向きによる違いは,呼びかけと日常会話ではみられず,相談会話と勉強会話においてみられた。親がキッチン作業中,相談会話のしやすい向きが正面・斜正面,勉強会話のしやすい向きが背面以外である。
(3) 親がキッチン作業の手を止めて,相手の方に行きやすい向きは,斜正面である。
(4) 親がキッチン作業中,親に子がみられていると感じる向きは,正面が強い。
(5) 親がキッチン作業中,親から子が見えやすい向きは, 側面である。